週末の遺言

主に週末の遺言を書いています。

メディアは自宅療養者への情報発信が足りていないのでは…という話

今回は新型コロナウィルス体験談を少しお休みして、言いたいことがある。タイトルのとおりなのだが、メディア(特にテレビ)はもう少し自宅療養者(というかコロナになってしまった人たち)に対してメッセージを発信するべき…という話である。

 

新型コロナウィルスに感染すると保健所からパルスオキシメーターが送付されてくる。酸素飽和度を計測する医療器具だ。ご丁寧に「93以下になった場合は、以下の緊急連絡先へご連絡ください」という説明が記載された冊子も付いていた。

 

実は、自分は発症から一週間ほど経ったある日、急激な息苦しさに見舞われ、この酸素飽和度が91まで下がってしまったのだ。当然、冊子に記載された緊急連絡先に電話をすることになる。

 

保健所の担当者の方と色々と話をした後、流石に91という数値はまずいので入院先を調整してくれることとなった。

 

「すぐに入院先を探して折り返し電話しますね」

 

その保健所の担当者の方のいうその台詞だけを信じ、恐怖を感じるような息苦しさの中、折り返しの電話をただひたすら待ち続けた。数十分〜1時間くらい経ったあと折り返しの電話があったのだが、保健所の担当者の方はこのようなことをおっしゃった。

 

「ないですねー」

 

「でしょうねwww」

 

テレビのニュースでは医療の逼迫が毎日のように報道されていた時期であるのでなんとなく想像は付いていた。だが、保健所の担当の方はまるでダイソーの店員のように「そこになければないですねー」のノリで「病院がない」という事実を伝えてきた。まぁしょうがない。「分かりました」と伝え、家で我慢するしかない。死ぬかもしれないがもうしょうがない。そう自分に言い聞かせて呼吸に集中することにした。全集中の呼吸ではない。呼吸に全集中である。

 

それはそれで仕方のない話なのだが、問題はそのあとである。保健所の担当の方から看護師の方に電話の相手が変わり、看護師の方がこのようなことを言ったのだ。

 

「どうしても息苦しい場合はうつ伏せの体勢をとってください。その際、クッションがあれば腰の下に敷いてみてください」

 

当然、言われたとおりにする。10分ほど呼吸に集中する。結果・・・

 

「えにくすの酸素飽和度が2あがった!」

 

まるでドラクエのちからの種である。

 

ここまでの話で筆者が言いたいのは、保健所の担当の方への恨みでもうつ伏せになりましょうという話でもない。保健所の方はこの未曾有の危機の中、本当に一生懸命お仕事をされていると思う。ここで筆者が言いたいのはただ一つである。

うつ伏せが楽なら、最初から教えて!っていうかそれ、テレビで言って!

テレビをつけると毎日のように気をつけましょう気をつけましょうと繰り返している。マスクをつけましょうだの、密は避けましょうだの、ここ1年以上同じことを繰り返し報道している。確かに基本は大事だ。マスクと手洗いはどれだけウィルスが変異しようが確実な対策であることは間違いのない事実である。しかし…しかしである。今はもう自宅療養者が全国で10万人を超えている。(令和3年9月時点)その自宅療養者に対してもっとこうしたほうがいいよとか、こうしたほうが楽だよ、という情報がテレビからいっさい聞こえてこないことに気づいたのだ。

 

そのくらいググれよ!と言うかもしれないが、うつ伏せのほうが呼吸が楽などという話は一般の人はそれほど知らないのでは?それをテレビで伝えることで(大袈裟かもしれないが)多くの自宅療養者の重症化を防ぐことができるのでは?そもそもテレビの役割とは?

 

うつ伏せが楽だとか重症化を防ぐなんて話はテレビで今まで一度も聴いたことはなかった。今自宅で苦しんでいる方、ぜひ息苦しくなった場合はうつ伏せになって休んでみてください。

 

そんなことを考えながら、パルスオキシメーターを保健所に返却するためレターパックを右手にコンビニへ向かうの筆者であった。